常連さんに作法を学ぶ…那須温泉元湯「鹿の湯」のにぎわい
軽井沢と並ぶ人気の避暑地として知られる栃木県の那須地方は、これから紅葉の見ごろを迎える。東京から東北新幹線で1時間。一足早く温泉とグルメのリゾート地を訪ねた。
さまざまな温泉が密集している那須にあって、最も歴史が古いのが那須温泉元湯「鹿の湯」(℡0287・76・3098)だ。発見は630年ごろ、ざっと1400年近く前になる。白鹿が矢傷を癒やしていたことから、その名がつけられた。
泉質は硫黄泉。「卵が腐ったような」と表現される、あのにおいが特徴だ。
午前8時の営業開始(~午後6時)に合わせて出かけると、川沿いの木造家屋は、すでに多くの客でにぎわっていた。400円(平日、土日祝は500円)を払い、明治時代に建てられたという風呂場に進む。板の間に、大人4人でいっぱいになりそうな木の湯船が2つずつ、合計6つ並んでいる。手前の向かって左から41度、42度、43度、44度となっていて、奥の2つが46度と48度。常連のひとりも「奥には入れないよ」と諦めるほどの熱さだ。湯に入っているよりも、板の間に座って休んでいる客の方が多い。