【コンビーフのトマト煮】調理は豪快、味は繊細

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「これはお店のお客さんに教えてもらった料理です。70代の男性の方で、『肉が雑な感じのコンビーフの方がうまいんだ』とのことです」

 稲原さんが笑顔で提供してくれたのが、この一品。スライスして並べたバゲット、器に入った肉の盛り付けは、まるでレバーペーストのようだ。

 バゲットに肉をのせて口に運ぶと、コンビーフ独特の匂いはなく、むしろ優しい味わいとなって舌を喜ばせる。玉ねぎのほのかな甘味もいい。

「コンビーフ自体に味がついているので、塩の分量はお好みで。クミンを空煎りしたものをのせると、風味が際立ちます」

 そう言われたら、試してみないことには始まらない。稲原さんに煎ってもらったクミンをひとつまみ、肉にのせて食べてみる。カリッとしたクミンの香りもさながら、肉の風味が一段と増す。

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