KAAT「華氏451度」 無機質な現代の日本社会へ警鐘を鳴らす

公開日: 更新日:

 原作はSF小説の巨匠、レイ・ブラッドベリが1953年に発表した同名小説。本の所持や読書が禁じられた近未来社会を描いたもので、タイトルは紙が燃え始める温度(華氏451度=セ氏約233度)を意味している。

 主人公は「ファイアマン」と呼ばれる治安部隊の隊員モンターグ(吉沢悠)。本の所持が発見された場合は急行し本を焼却、所有者を逮捕するのが役目。

 冷徹な隊長ビーティ(吹越満)の下で模範的な隊員だった彼はある日、謎めいた少女クラリス(美波)と出会い、押収した「本」を初めて読んだことで焚書に疑問を持ち始める。モンターグの異心に気づいた妻の密告によって彼は追われる身となる。執拗なロボット犬の追跡をかわしてたどり着いた所は……。

 ブラッドベリ自身は「作品のテーマは国家の検閲ではなくテレビによる文化の破壊である」と述懐している。50年代はラジオ・テレビが登場した時期。手軽で受動的なメディアの登場に作家が危機感を持ったのは当然か。しかし、それは今や極点まで達した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    GACKT告白 浜田だけじゃない芸能界パワハラ&セクハラの闇

  2. 2

    自民・田畑毅氏離党か…永田町で飛び交う“女性醜聞”の中身

  3. 3

    また怪統計か 2018年「貯蓄ゼロ世帯」大幅改善のカラクリ

  4. 4

    トランプに平和賞?推薦した安倍首相に問われる“見識”<上>

  5. 5

    ローン嫌いは意外に多い 現金主義のメリットと得するコツ

  6. 6

    銀行口座は3つを使い分け 7年で1000万円貯めた主婦の凄腕

  7. 7

    日産の“暴君”と対決した元広報マンはゴーン事件をどう見る

  8. 8

    常盤貴子「グッドワイフ」も評判 “ネオ美熟女”はなぜ人気

  9. 9

    菅田将暉「3年A組」好調の深い意味…日テレの新看板枠に

  10. 10

    日テレが大博打 原田知世&田中圭で“2クール連続ドラマ”

もっと見る